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“チケット転売が問題になるとき、「そもそもどうして主催者はチケット価格を上げないのか?」が取り沙汰されるけど、今年ANAがスイートラウンジ利用券の転売に対して取った行動がこの疑問に非常にわかりやすい回答を…”

チケット転売が問題になるとき、「そもそもどうして主催者はチケット価格を上げないのか?」が取り沙汰されるけど、今年ANAがスイートラウンジ利用券の転売に対して取った行動がこの疑問に非常にわかりやすい回答を与えているので紹介しておく。

まず経緯を説明すると、
(1) 去年まではANAがダイヤ会員にラウンジ利用券6枚をプレゼントしていたものの転売が常態化、
(2) 転売で購入した人たちはラウンジサービスを最大限に楽しもうとする結果、「上級国民」から客層が下がったとの苦情が増えて、
(3) ANAは利用券に「転売禁止」を印字する策に出る。

ミクロ経済学から説明しようとすると、転売によって「最も高い効用を見出す人に財が配分される」ので転売行動は合理的という結論になるのだが、この議論には「最も高い効用を見出す人に財が配分される=Good」という価値観を主催者が共有している前提が必要で、たいていその前提は成り立っていない。

ANAの場合、最大限に効用を満たそうとする人たちでラウンジが混雑しすぎて客層が下がって困ったわけで、ANAの望む最適な財配分はそれではなかった(=ANAは長期的に顧客になってくれる「上級国民」に配布したい)。多くのチケット転売議論の背景にあるねじれがわかりやすく見えた例だと思う。

余談:
ANAのラウンジ利用券には面白いところが2つある。ひとつめは「転売禁止」の意味。ダイヤ会員自身は利用券なしでラウンジに入れるのでそもそもこの利用券は譲渡するためにある。つまりANAは「譲渡OKだが転売禁止」という新しい財を生み出した(普通は譲渡禁止の意味で転売禁止と書いてある)。

ふたつめは、「転売禁止」の印字だけで転売行為がほぼ撲滅されたこと。ふるさと納税の感謝券はいくら自治体が「転売禁止」と書いてもあれだけオークションサイトで流通してたのに、ANAが書くと(ペナルティを恐れて)みんなお利口さんにやめるではありませんかw インセンティブの作り方は大事です

Kentaro Hara / Twitter (via shinoddddd)

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